警察官90人の思い、文集に 土石流対応の熱海署作成―静岡県警

東京, 7月02日, /AJMEDIA/

災害関連死を含め28人が死亡した静岡県熱海市の土石流災害は、3日で発生から2年を迎える。県警熱海署は、最前線で行方不明者の捜索などに当たった署員約90人の経験や思いをつづった文集『伊豆山』を作成した。石津谷良広副署長は「20年、30年後も伝承していく。熱海署の人間として忘れてはいけない」と力を込める。
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 きっかけは毎朝行っている会議での「3分間スピーチ」だった。毎回のように署員が土石流への対応を振り返っていたところ、発生から1年がたった2022年夏ごろ、「ある程度文字で残した方が良いのでは」との声が署内で上がり、作成に着手した。
 ありのままに語ってもらうため、一般には公開せず、署内で読み継ぐことにした。発生時の状況や経験についてアンケートに答える形で証言してもらい、約100ページの冊子が3月に完成した。
 刑事課に所属していた署員は、「警察が捜査をすれば分かることだと思っている」と被災者に言われたと記した。「せめて何が原因で誰が悪いのかを明確にし、被災者の無念を少しでも晴らすことができれば」と決意を新たにしたという。
 災害発生から時間がたち、当時を知らない署員も増えてきた。石津谷副署長は「風化させないためにも、他の警察署で勤務していた職員や新たに警察官になった人に読んでほしい」と話した。

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