阪神の西勇、経験武器に立て直し 古巣に勝ち全球団白星―プロ野球

東京, 6月15日, /AJMEDIA/

プロ15年目。その大半の時間で先発ローテーションを守ってきた阪神の西勇。百戦錬磨の右腕もこの日ははやる気持ちを抑えられず、平常心ではいられなかった。
 相手は10年間過ごした古巣オリックス。史上20人目となる全球団勝利が懸かったマウンドだった。常にチームの勝利を第一に考える男に渦巻いた、白星が欲しいという感情。「マインドコントロールがうまくできなかったから、体のバランスが悪かった。よく分からない感情だった」。球数はかさみ、一、二回と続けて点を失った。
 それでも何とか立て直せたのは、これまで積み重ねてきた経験があったから。流れが悪くても、精神的に立ち直るための引き出しがあった。勝ちたいという欲を捨て、まず試合をつくるという先発投手の原点に返った。「うまくマウンドさばきができた」。多彩な変化球を駆使し、低めに球を集めて6回2失点。力強い打線の援護に応え、勝ち投手の権利を得た。
 苦しみながらも節目の白星をつかみ、感慨に浸る一方で「糧にして対処法を考えたい」とも。ベテランの目は、もう次の一戦に向いている。

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