東京, 10月30日, /AJMEDIA/
高病原性鳥インフルエンザの感染が、岡山県と北海道の養鶏場で確認された。今シーズンでは国内初で、10月の発生は過去に例がない。欧米をはじめ世界的な流行が続く中、野村哲郎農林水産相は「どこで発生してもおかしくない状況だ」と危機感を表明。感染拡大防止に向け、防疫対策の徹底を呼びかけている。
鳥インフルは、主に渡り鳥が渡来する秋から翌年春にかけて発生。渡り鳥がウイルスを運び、野鳥やネズミ、人の長靴などを通じて感染する。高病原性は毒性が強く、鶏の致死率も高い。
昨シーズンは2021年11月から22年5月にかけ、12道県で25例が確認された。欧米の感染状況なども踏まえ、農水省の専門家チームは今シーズンについて「日本への侵入リスクは高い」と分析。同省は、農場へ入る際の消毒や、ウイルスを媒介する小動物の侵入を防ぐネットの設置といった防疫措置を促してきた。
しかし、9月には早くも神奈川県で野鳥の感染が判明し、現在までに5道県で7例確認。養鶏場では今月28日、岡山県倉敷市と北海道厚真町で相次ぎ発生した。両県は計約34万羽の殺処分に踏み切るとともに、近隣の養鶏場に対し、卵や鶏の移動・搬出制限措置を課した。
政府は同日、関係閣僚会議を開き、感染拡大防止へ万全の対応を取ることを確認した。農水省の担当者は「衛生管理を徹底するほか対策はない。自分の農場は自分で守るとの決意で、毎日感染防止の努力をお願いする」と訴えている。