東京, 10月30日, /AJMEDIA/
名古屋市に高級ホテルが相次いで進出する。愛知県が主会場の2026年アジア競技大会や、翌年予定のリニア中央新幹線開業で需要増が見込まれるためだ。自治体も補助金で進出を支援。新型コロナウイルス対策の水際規制緩和も追い風に、地元の観光業界は活気づいている。
「自然を感じる居心地の良いホテル」。名古屋市中心部の栄地区で来年7月上旬に開業する「TIAD(ティアド)」の中沢旬史開業準備室長は強調する。冠婚葬祭事業の日本セレモニー(山口県下関市)が手掛け、結婚式場も整備する。
同じ栄地区では、地下鉄駅に直結する高層ビルに米ヒルトングループの「コンラッド名古屋」が26年夏頃に開業。宿泊料は市内でも最高水準の見込みで、誘致した三菱地所の担当者は「国際水準のサービスで名古屋のトップホテルに」と意気込む。
名古屋城近くには、興和(名古屋市)グループが手掛ける「エスパシオ ナゴヤキャッスル(仮称)」が25年春にオープン。天守閣を間近に楽しめる「唯一無二のロケーション」(担当者)と、城郭のような外観が特長だ。
名古屋にはもともと海外の富裕層らが宿泊する高級ホテルが少ない。このため大規模な国際イベントが開かれにくく、「名古屋飛ばし」とも言われる状況が続いてきた。
これに対し、愛知県は名古屋市と連携して、20年度から高級ホテル新設への補助制度を開始。要件を満たせば10年間で最大20億円を拠出する。経済効果は未知数だが、ティアドの中沢氏は「名古屋はもっと発展する」と力を込める。