東京, 10月26日, /AJMEDIA/
鎌倉幕府を開いた源頼朝が、およそ800年前に植えたと伝えられる杉を使って彫られた「頼朝像」が、京都市内で披露されました。
この源頼朝の像に使われた杉は、静岡県島田市の寺で、およそ800年前に頼朝がみずから植えたと伝えられていたものです。
しかし、10年前に倒れてしまい、杉を生かした形で後世に残せないかと、京都市の仏師が将軍となった頼朝の像を彫ることになり、各地に伝わる肖像画や像などを参考に、ことし1月からおよそ9か月かけて制作しました。
頼朝像は袍と呼ばれる黒い上着と紫のはかま姿で、しゃくを持って座った像は、高さ1メートル10センチ、幅1メートル47センチあり、威厳のある柔和な表情で正面を見据えています。
この像は、来年の年明けにも、鎌倉市の鶴岡八幡宮に奉納される予定です。
頼朝像を彫った仏師の江里康慧さんは「頼朝は坂東の荒武者にもまれながら挙兵して幕府を開くなど、決断が多い人生を送ったので、見る人には勇気を感じていただきたい」と話していました。