両陛下、22日沖縄へ 即位後初、上皇ご夫妻の思い継承―ゆかりの人「これからを知って」

東京, 10月22日, /AJMEDIA/

 天皇、皇后両陛下は22日、沖縄県を即位後初めて訪問される。太平洋戦争末期の地上戦で20万人以上が犠牲となり、戦後も約27年間にわたり米施政下に置かれた沖縄に思いを寄せ続けた上皇ご夫妻の姿勢を継承してきた。ゆかりの人は「平和への思いは堅持しつつ、これからの沖縄に向き合ってほしい」と期待を寄せる。
 「苦難の道を歩んできた沖縄の人々の歴史に思いを致しつつ、式典に臨むことに深い感慨を覚えます」。5月、両陛下は沖縄復帰50周年記念式典にオンラインで出席し、天皇陛下は画面越しに会場へ語り掛けた。具体的に明示はしなかったが、沖縄には今なおさまざまな課題が残されていると言及。側近によると、両陛下は今回の訪問を通し、多くの人が沖縄の歴史を学び、平和の尊さを考える機会となるよう願っているという。
 本土を守るための「防波堤」となった沖縄では戦後、皇室に対する複雑な感情が長く残った。昭和天皇は訪問がかなわなかったが、上皇ご夫妻は1975年から11回訪問。戦没者を慰霊し、遺族の話に耳を傾けてきた。
 ご夫妻は沖縄の小中学生による「豆記者」と、本土復帰前の63年からご一家で交流を続けた。陛下は今年2月の記者会見で「幼少の私にとって、沖縄について知るとても良い機会でした」と振り返っている。
 引率などで約40年携わってきた沖縄県豆記者交歓会顧問の川満茂雄さん(76)は「上皇ご夫妻は戦争の傷が癒えていない時代に、遺族と真摯(しんし)に向き合った。皇室に対する見方が変わった」と指摘する。
 現在は県民の大多数が戦後世代だとし、「基地の負担もあり、経済的に厳しい現状がある。両陛下には、上皇ご夫妻の平和への思いは堅持しつつ、県民が何を望んでいるかを知り、これからの沖縄に目を向けてほしい」と語った。

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