東京, 10月9日, /AJMEDIA/
カスピ海沿いの資源国アゼルバイジャンは欧州向けの天然ガスパイプラインの容量を倍増させる。6日、経由国のトルコと合意した。同国産ガスを運ぶギリシャ・ブルガリア間のパイプラインも今月に稼働した。欧州はロシアに代わるガス供給元として期待するが、地域紛争を抱える強権国家への依存を懸念する声も上がる。
欧州との間に横たわるトルコを通るパイプラインの容量を2倍の年160億立方メートルにすることで合意した。トルコのドンメズ・エネルギー天然資源相が6日、明らかにした。コンプレッサーの増強などで対応し、「近く」実現するとしている。
アゼルバイジャンからギリシャ、イタリアにガスを運ぶパイプライン「南ガス回廊」は2020年末に商業運転を始めた。今月1日にはギリシャからブルガリアに年10億立方メートルを供給する「支流」も稼働したばかりだ。
「このパイプラインはブルガリア、そして欧州のゲームチェンジャーになる」。1日、ブルガリアでのパイプライン開業式典に参加した欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は「ロシア依存からの解放」につながると称賛した。
EUとアゼルバイジャンは7月、27年までにガス供給量を年200億立方メートルにすることで合意した。同国のシャフバゾフ・エネルギー相によると22年は21年比で31%増の120億立方メートルになる見込みだ。1日の式典に参加したアリエフ大統領は「新たに複数のガス田も生産を開始する」と述べた。