日韓の溝、北朝鮮対応に影 日米、米韓は連携アピール

東京, 10月6日, /AJMEDIA/

日本上空を通過した4日の北朝鮮による弾道ミサイル発射は、元徴用工問題などで生じた日本と韓国の間の溝を再認識させた。5日までに両国間の閣僚協議は外相電話会談にとどまり、発射直後の首脳電話会談は見送られたためだ。一方、日米、米韓両国間ではそれぞれ閣僚らが活発に電話会談を行ったほか、共同訓練も即座に実施。3カ国のうち日韓の連携不足が際立つ格好となった。
 「日韓首脳電話会談は決まっていないが、引き続き緊密に意思疎通する」。松野博一官房長官は5日の記者会見で、岸田文雄首相と韓国の尹錫悦大統領との電話会談開催見通しを聞かれ、こう述べるにとどめた。
 同日夕方になり、韓国大統領府が日韓首脳電話会談が6日午後に行われると発表したものの、発射から丸2日が経過した会談では「メッセージ効果」が低下するのは否めない。
 前回、北朝鮮が日本列島の上空を通過する弾道ミサイルを発射したのは2017年9月15日。当時の安倍晋三首相は韓国の文在寅大統領と同日中に電話会談し、連携を確認した。
 今回、発射当日の10月4日に日韓間で電話会談したのは林芳正外相と朴振外相、秋葉剛男国家安全保障局長と金聖翰・韓国国家安保室長にとどまる。
 特に深刻なのは防衛関係の交流だ。韓国海軍艦艇による海上自衛隊機へのレーダー照射事件の影響もあり、日韓防衛相会談は19年11月が最後。自衛隊幹部は「北朝鮮のミサイル問題は日米韓共通の危機なので3カ国の枠組みで対応できるが、日韓の間ではほとんど話ができていない」と語る。
 逆に、日米、米韓はそれぞれ緊密な連携をアピールした。日米では首脳、外相、防衛相と三つのレベルで電話会談し、航空自衛隊と米海兵隊による共同訓練も実施した。米韓も外相、防衛相の電話会談を行い、韓国軍と米軍が地対地ミサイル発射などの共同訓練を行った。
 日米韓3カ国が足並みの乱れを露呈すれば、北朝鮮に付け入る隙を与えかねず、外務省幹部は「日韓も関係を改善させて、忌憚(きたん)なく会談できるようにならないといけない」と語った。

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