熱帯びる「推し活」商戦 専用グッズの販売増加

東京, 8月12日, /AJMEDIA/

 好きなアイドルやアニメキャラクターを応援する「推し活」の関連商品が売れ行きを伸ばしている。コロナ感染の拡大でイベントが減った時期もあったが、この間にファン同士はインターネット上で盛んに交流。グッズの口コミも広がった。コンサートで必需品のうちわや一推しキャラの写真を収納する専用グッズをメーカーが続々と投入し、商戦は熱を帯びている。
 サンリオは2019年5月、「推し活専用」を前面に打ち出した雑貨「エンジョイアイドルシリーズ」を発売。うちわカバーやアイドルと一緒に撮影した写真を飾るフォトスタンドなど、幅広い商品をそろえた。「ハローキティ」など同社のキャラクターをあしらったデザインが人気で、7月末までのシリーズ累計売上高は約28億5000万円と、自社開発商品の上位を占める。
 インターネット交流サイト(SNS)の口コミで人気が広がり、担当者は「発売当初と比べて、推し活が市民権を得たと感じる」と手応えを口にした。その背景については、「イベントのライブ配信が増えて気軽に推し活を始める人が増えたからではないか」と分析する。
 推し活用バッグを昨年3月に発売したのは、サマンサタバサジャパンリミテッドのバッグブランド「&chouette(アンドシュエット)」。仕事用にも使える落ち着いたデザインのトートバッグは、片面に透明の大型ポケットを取り付け、中に推しキャラの缶バッジを並べて楽しめる。同じシリーズのバッグや小物計9品は7月末までに約9500個を売り上げた。
 通販会社フェリシモは19年11月から、自社ブランド「OSYAIRO(おしゃいろ)」で、大型のうちわが入るバッグや写真を入れるポケット付きブックカバーなどの日用品を販売している。担当者は「今後はファンから直接、ニーズをくみ取って商品開発に役立てたい」と意気込む。
 調査会社の矢野経済研究所(東京)によると、グッズ販売や映画・イベントの興行収入などを合計したアニメ、アイドル分野の市場規模は21年度に推計で約4300億円。19年度の5610億円には届かないものの、イベント中止などが響いた20年度の4150億円からは回復傾向にある。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts