国際宇宙ステーションのプロジェクト ロシアが撤退方針表明

東京, 7月27日, /AJMEDIA/

日本も運用に関わるISS=国際宇宙ステーションのプロジェクトについて、ロシア国営の宇宙開発公社「ロスコスモス」は2024年以降に離脱する意向を明らかにし、今後の宇宙開発への影響が懸念されます。

ロシア国営の宇宙開発公社「ロスコスモス」のボリソフ社長は26日、プーチン大統領にロシアの宇宙開発事業について報告しました。

この中で、日本やアメリカなども運用に関わる国際宇宙ステーションについて「2024年以降、離脱することを決めた」と述べ、プーチン大統領もこれを了承しました。

そのうえで「離脱するころには、ロシア独自の宇宙ステーションの建設が始まっているのではないか」と述べました。

2011年に完成したISSの運用期間は2024年までとなっていますが、NASA=アメリカ航空宇宙局のネルソン長官は2030年まで運用を延長する方針を発表していました。

運用の延長には各国の合意が得られるかが焦点となっていましたが、今回のロシアによる離脱の意向を受け、今後の宇宙開発への影響が懸念されます。

ISSにはロシアのモジュールがあり宇宙飛行士の生活や実験に使われているほか、現在、滞在している7人の宇宙飛行士のうち3人がロスコスモスに所属するなど、ロシアはアメリカや日本、ヨーロッパなどとともにISS運営の一角を担っています。

アメリカ国務省「不幸な展開だ」
ロシアがISS=国際宇宙ステーションのプロジェクトから離脱する意向を明らかにしたことについて、アメリカ国務省のプライス報道官は26日、定例の記者会見で「ISSで科学にとって極めて重要な作業が行われてきたことを考えると、不幸な展開だ」と述べました。

そのうえで「ロシアのウクライナに対する軍事侵攻は米ロ関係を根本的に変化させたが、われわれは科学分野での共同研究など、維持したい分野はある。ロシアはそれとは反対のシグナルを送ってきている」と述べ、ロシアを批判しました。
NASA「何らかの決定があったとは知らされていない」
NASA=アメリカ航空宇宙局のネルソン長官は「NASAはいかなるパートナーからも、何らかの決定があったとは知らされていない。NASAは2030年まで、国際宇宙ステーションを安全に運用することに全力で取り組んでいて、関係各国や機関との調整を進めている」とコメントしています。

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