25周年を迎えた「グランツーリスモ」シリーズの展望と感じる課題–山内一典氏に聞く

東京, 12月29日, /AJMEDIA/

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントが展開しているリアルドライビングシミュレーター「グランツーリスモ」シリーズ。12月23日付で25周年を迎えたことにあわせて、同シリーズのクリエイターで、ポリフォニー・デジタル 代表取締役 プレジデントの山内一典氏に向けた合同インタビューが行われた。

 「グランツーリスモ」シリーズは、山内氏が企画者としてプロジェクトが立ち上がり制作を開始。1997年12月に、初代のプレイステーション向けソフトとして第1作目をリリース。以降さまざまな面で進化を遂げる形でシリーズを展開。2022年3月には最新作の「グランツーリスモ7」(PS5/PS4)を発売している。この25年間で積み上げた全世界累計実売数は、9000万本を突破(2022年11月16日時点)。世界で支持を得ているシリーズとなっている。

実車そのものをシミュレーションできている数値に達している
――まず、「グランツーリスモ」シリーズが25周年を迎えたことについて、率直な心境をお話しください。

 それはもう、ただひたすら感謝しかないです。ユーザーのみなさん、コミュニティのみなさん、そしてメディアのみなさんを含めて長いお付き合いになっています。これまでサポートしてくださって本当にありがたいです。さらにお伝えしたいのは、25年間家族のように作り続けてくれた、ポリフォニー・デジタルのスタッフに、本当に感謝いたします。抱負というよりも、ただただ感謝しかないです。

――「グランツーリスモ」シリーズにおいては、リアリティを追求したシミュレーターとしての結果も出ていますし、実際に、プレイヤーがレーサーとして活躍するような方も現れてます。シリーズ展開していくなかで、シミュレーションの再現性はどこまで高まるのか、というところもあるのですが、実際のレース体験のような次元に近づけることができるのかどうか、そしてレース以上のシミュレーション体験ができるようになっていくのか。その展望をお話しください。

 シミュレーションの精度という意味では、実車そのものをシミュレーションできているという数値に達しています。何年も前ですけど、日産がル・マン24時間レースに挑戦したとき、社内でレーシングカーのデータを作ってみて、日産のエンジニアと一緒にシミュレーションを実施したんです。その結果、おおむね24時間レースで起きたことと、同じような結果が出ました。挙動の再現性では、もうリアルなものになっています。

 そして、それ以上のものができるのかどうかについては、いろんな考え方があります。例えばですが、「グランツーリスモ ワールドシリーズ」(※世界規模で行われている公式大会)において、通常のレース中継では無理というぐらいに、たくさんのカメラとアングルで車が走行している姿をとらえています。さらに、たった4人のスタッフでカメラのスイッチングを行ってます。

 このような、テクノロジーを背景にした表現は、今後いくらでもやりようはあります。車やタイヤの状態も全てモニタリングできますから、その情報を使ってレースをいかに面白く見せていくのかは、いろいろな可能性があります。

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