東京, 10月18日, /AJMEDIA/
去年7月の参議院選挙でいわゆる一票の格差が最大で3.03倍だったことが憲法に違反するかが争われた裁判で、最高裁判所大法廷は18日、判決を言い渡します。各地の高等裁判所の判断は分かれていて、格差の状況や是正に向けた国会の取り組みを最高裁がどう判断するかが焦点となります。
去年7月の参議院選挙では選挙区によって議員1人あたりの有権者の数に最大で3.03倍の格差があり、2つの弁護士グループは「投票価値の平等に反し、憲法に違反する」などとして選挙の無効を求める訴えを全国で起こしました。
各地の裁判所はいずれも選挙の無効は認めませんでしたが、憲法判断については▽「憲法違反」が1件、▽「違憲状態」が8件、▽「合憲」が7件と分かれました。
これらの裁判について最高裁判所大法廷が18日午後、判決を言い渡し統一的な判断を示します。
参議院選挙の一票の格差について最高裁は、5倍や4倍の格差があった2010年と2013年の選挙を「違憲状態」としましたが、その後、いわゆる「合区」の導入などによって、格差が3倍程度に縮小した2016年と前回・2019年については「合憲」と判断しています。
去年の選挙も前回と同じ方式で行われ、格差は3.00倍から3.03倍に拡大していて、こうした状況や国会の取り組みについて最高裁がどのように判断するかが焦点となります。
一票の格差 これまでの経緯は?
参議院選挙の一票の格差をめぐる裁判では、最大で▽5.00倍の格差があった2010年の選挙と、▽4.77倍だった2013年の選挙について、最高裁判所が「違憲状態」と判断し、投票価値が不平等な状態を解消するために選挙区を都道府県単位とする選挙制度そのものを速やかに見直すべきだと指摘しました。
これを受けていわゆる「合区」が導入され、▽鳥取県と島根県、▽徳島県と高知県を1つの選挙区とするなどした結果、2016年の選挙では、一票の格差は最大3.08倍まで縮小し、最高裁は「合憲」と判断しました。
その後、2019年の参議院選挙では、議員1人あたりの有権者数が最も多かった埼玉選挙区の改選議席を1議席増やし、一票の格差は最大で3.00倍となりました。
これについて最高裁は「格差のさらなる是正を図る国会の取り組みが大きな進展を見せているとは言えないが、合区の解消を強く望む意見もある中で、合区を維持してわずかではあるが格差を是正した」と指摘し、憲法に違反しないと判断しました。
そして、去年の選挙は前回と同じ方式で行われていました。