SNSで指示、遠隔地へ 「闇バイト」で全国から―実行役ら、金欲しさに・連続強盗

東京, 2月12日, /AJMEDIA/

 全国で相次ぐ強盗事件で、容疑者の多くは居住地から離れた場所で、強盗に関与したとして逮捕された。SNSで高額収入をうたう「闇バイト」に応募後、犯行場所を指定されたとみられる。警察当局は20~30代の男らが、借金返済などに充てる金欲しさに土地勘のない遠隔地での「仕事」を引き受けたとみて調べている。
 警察当局によると、昨年5月以降、「ルフィ」や「キム」と名乗る人物がフィリピンから指示を出したとみられる強盗事件は、京都市や東京都稲城市、中野区、山口県岩国市、広島市などで起きている。
 岩国の事件で逮捕された6人の住所は、それぞれ札幌市や宇都宮市、埼玉県川口市、東京都港区、江戸川区、愛知県豊山町だった。
 いずれも「闇バイト」に応募し、事件のために岩国市に集められたとみられる。このうち、札幌市の男は事件の約3週間前、岩国市から約680キロ離れた稲城の強盗事件に関与した疑いもある。
 中野の事件で逮捕された男は埼玉県草加市に住んでいたが、指示役は岩国の事件にも加担させようとしていたとみられる。男の携帯電話には事件前日、秘匿性の高い「テレグラム」で、「山口県に呼ぼうと思ったが、間に合わないのでまた連絡する」とのメッセージが送られていた。
 遠隔地での強盗に向け、準備資金が事前に渡されていたケースもある。
 関係者によると、岩国の事件で運転役だったとされる東京都港区の男は、闇バイトで「報酬30万円」などと仕事を紹介され、「ルフィ」から「岡山で車を借りろ」と指示を受けた。移動の新幹線代や、現地でのレンタカー代として数万円を都内で受け取り、約550キロ先の岡山県に向かったという。
 一連の強盗事件では、逮捕された多くの容疑者が借金返済や生活費のために闇バイトの勧誘に応じ、強盗グループに加わったという趣旨の供述をしている。
 警視庁の捜査関係者は、実行役らのリクルートが全国規模になっていると指摘。「たとえ遠くても一度強盗に入れば高額な報酬が手に入る。(実行役は)それを目当てにやっている」と話した。

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