東京, 6月25日, /AJMEDIA/
海外でも人気の日本酒「獺祭」を製造する旭酒造(山口県岩国市)が、米ニューヨーク州にある同社初の海外生産拠点で醸造する米国ブランド「獺祭ブルー」の出荷に向け、着々と準備を進めている。発売予定日は10月1日。5月に当局の仮免許を受けて試験醸造を開始した。現地の水、米国産のコメも活用し、日本酒販売の成長余地が大きい米市場を席巻したい考えだ。
旭酒造は2017年、ニューヨーク州ハイドパークでの醸造所開設を決断した。ただ、州当局に環境面などの問題を指摘されて対応を迫られたほか、20年に始まったコロナ禍で工事が1年半にわたって完全に停止。計画は大幅に遅れ、費用は当初予定の30億円から85億円に膨らんだ。今年3月、ようやく完成にこぎ着けた。
獺祭ブルーは「青は藍より出でて藍より青し」に基づき命名した。既存の獺祭をしのいでほしいとの願いが込められている。
小売価格は商品のランクに応じて35ドル(約5000円)から100ドル(約1万4000円)を想定。今年は3万5000本(720ミリリットル換算)の出荷を計画している。米市場浸透には「日本食以外の食事でも楽しんでもらうこと」(旭酒造の桜井博志会長)が課題のようだ。