東京, 6月27日, /AJMEDIA/
ドイツ南部エルマウで始まった先進7カ国首脳会議(G7サミット)は26日夜(日本時間27日未明)、外交・安全保障分野を中心に協議を続けた。バイデン米大統領は中国の経済圏構想「一帯一路」に対抗する形で、途上国のインフラ投資を支援する新たな枠組みの創設を宣言。岸田文雄首相は東アジアの安保環境の深刻さを説明し、危機感の共有を訴えた。
新たな枠組みは、G7を中心に2027年までに6000億ドル(約81兆円)の投資を目指す内容。岸田首相も今後5年間で民間資金を含め650億ドル(約8兆8000億円)以上を投じる考えを表明した。
岸田首相は、中国を念頭に「ウクライナ情勢から誤った教訓を導き出す国が出てはならない」と強調。沖縄県・尖閣諸島周辺の領海侵入や東シナ海のガス田開発に触れ、「状況は深刻だ。力による一方的な現状変更の試みは認められない原則を確認したい」と呼び掛けた。
ロシアに対する制裁強化も議論。G7は、原油価格の高騰でこれまでの制裁効果が薄れていることを受け、ロシア産石油の価格に上限を設定することで大筋合意する見通しとなった。
岸田首相は米国、英国、カナダと合意したロシア産金の輸入禁止に加え、(1)信託・会計など一部サービスの取引停止(2)70の個人・団体への資産凍結(3)90の軍事関連団体への輸出禁止―を新たに表明。近く閣議了解する考えを伝えた。
北朝鮮情勢をめぐっても意見を交わし、岸田首相は全ての大量破壊兵器の「完全で検証可能、不可逆的な廃棄」の重要性を強調。ウクライナ情勢を踏まえ、「(核・ミサイル開発を進める好機と)北朝鮮に誤信させてはらない」と訴えた。