高温・渇水に悲鳴、塩害も 各地で農作物被害―新潟

東京, 9月2日, /AJMEDIA/

統計開始以来「最も暑い夏」となった今年、新潟県では7月の梅雨明け以降、まとまった雨が降らず、各地で農作物に影響が出ている。
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 新潟地方気象台によると、8月の平均気温は県内のほぼ全域で平年より3~4度高く、雨量も平年の20~30%ほどの地点が多かった。新潟市秋葉区・新津では8月にほとんど雨が降らなかった。
 県農林水産部のまとめ(同月30日時点)では、農作物被害は全30市町村のうち24市町村で発生し、計820ヘクタール(全耕地面積の0.5%)に及ぶ。このうち、コメでは361ヘクタールで稲が枯れたり、葉が縮んだりした。
 新潟市北区の阿賀野川沿いの水田では、収穫直前の稲が約11ヘクタールにわたって塩害で枯れた。周辺では川の水をポンプでくみ上げて供給しているが、渇水で水位が下がり海水が逆流したとみられる。農家17軒が被害を受けたといい、JA新潟市の原聖志営農センター長は「31年間ここにいるが、こんな暑さと渇水は初めて」と話す。
 県が管理する全41基のダムのうち、貯水率0%が4基、1割未満が11基となった。近隣農家では他のダムから水を融通してもらうなどしてしのいでいるという。
 特産のニシキゴイの養殖が盛んな長岡市では、養殖池の水位が下がり、ひび割れが発生。県内の養殖業者全体では30日までに512匹が酸欠で死んだ。
 市養殖組合によると「例年よりも約30センチ以上低下した」。8月は屋外で大きく成長させる大切な時期だが、水温上昇も相まって水中の酸素量が減少するため、「えさを少なくせざるを得ない」と苦慮している。
 県は9月補正予算案に渇水対策事業を計上。市町村が行うポンプ設置やひび割れの補修などへの補助事業に財政支援する。

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