東京, 1月3日, /AJMEDIA/
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子で、初の試みとなった年末年始の個人4戦が終わった。「シルベスター・トーナメント」と銘打たれたシリーズで、上位を狙った高梨沙羅(クラレ)は11位、14位、5位、10位で総合9位。シーズン序盤に比べて飛距離が出る回数は増えたものの、テレマーク姿勢が入らず飛型点が伸びない展開が続き、「結果を出すには着地が一番大事」と悔やんだ。
高梨の持ち味は、低空ながらも鋭く前に進む飛躍。日本女子の横川朝治コーチによると、今は踏み切りで高く飛び上がり過ぎ、空中で普段より高い位置を飛んでいるため着地しづらくなっている。ただ、同コーチは「ちょっと力み過ぎている。でも断トツに飛べる力はあるので、そこで勝負していれば自然と(踏み切りも)直ってくると思う」と徐々に好転するとみている。
五輪翌シーズンの今季は34歳のベテラン、ピンケルニク(オーストリア)が4勝と絶好調。ノルウェーのストロムやオプセトら新鋭も勝利を挙げるなど、勢力図が変化しつつある。W杯最多63勝を誇る高梨は五輪後にジャンプを見直している最中とはいえ、「試合に出るからには最低限テレマークまでつなげないと」と、自らを叱咤(しった)する。
今後は日本へ戻り、札幌と蔵王(山形市)でのW杯に臨む。テレマークがしっかり入れば、表彰台が狙えるところまで調子は上がっている。多くのファンが声援で後押しする舞台で、存在感を示したいところだ。