東京, 3月18日, /AJMEDIA/
発見されてちょうど50年となる奈良県明日香村の高松塚古墳の壁画にこれまでの分析では成分の分からなかった謎の絵の具が使われていることを受けて、国立文化財機構などの研究グループは新たな方法を用いた調査を来年度実施することになりました。
7世紀末から8世紀初めの飛鳥時代に造られた高松塚古墳の石室の内部には方角の守り神の四神や「飛鳥美人」として知られる人物の群像など、極彩色の壁画が描かれています。
これまでの調査で赤い「朱」や緑の「緑青」などの顔料が使われたことは分かっていましたが、人物の衣装を彩った黄色や赤などの中には何を使ったのかはっきりしない謎の絵の具も残されていました。
また人物や東の壁に描かれた「青龍」などの青く見える部分にアフガニスタンでとれる宝石、ラピスラズリを砕いた顔料が使われた可能性を示す研究もあることから、国立文化財機構などの研究グループは新たに開発され物質の特定につながる小型の「X線回折分析装置」で来年度調査を行うことになりました。
これについて文化庁は「これまで分からなかった壁画の謎に調査の手が及ぶことになる」としています。