東京, 7月06日, /AJMEDIA/
【ソウル時事】韓国政府は5日、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出計画について「国際的な安全基準に合致する」と結論付けた国際原子力機関(IAEA)の包括報告書を「尊重する」と表明した。一方、対日関係を重視する尹錫悦政権を批判してきた野党は「報告書は中立的でなく、放出を正当化する根拠にならない」と反発した。
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国務調整室の朴購然第1次長は記者会見で「IAEAは国際的に権威のある機関であり、(報告書を)尊重するのが政府の基本的立場だ」と述べた。また、韓国政府独自の科学的検討の結果を近く公表する方針を示した上で、報告書をさらに分析し、国民に説明する考えを明らかにした。
韓国では、処理水放出への懸念は払拭されておらず、世論調査で「心配する」との回答が78%に上る。大統領府関係者は韓国メディアに「国民の健康と安全を最優先で対応する」と強調。「今後、計画が適切に履行されているかをIAEAや日本と緊密に連携してモニタリング(監視)していく」と語った。尹政権は、韓国近海の海水に含まれる放射性物質の検査を約90カ所から200カ所に増やす方針だ。
一方、最大野党「共に民主党」は緊急議員総会を開き、日本が周辺国の同意なく処理水放出を行えば、日本産水産物の輸入を禁止する法案の提出を検討することを決めた。李在明代表は「汚染水の海洋投棄阻止に向けあらゆる方法を取る」と訴えた。