防災意識、8割「薄れる」 東日本大震災被災地の住民―「懸念残る」と専門家・民間調査

東京, 3月19日, /AJMEDIA/

民間企業が東日本大震災の被災地住民を対象に実施したアンケート調査で、約8割が「防災意識が薄れている」と回答したことが18日までに分かった。専門家は「大きな懸念が残る結果だ」と指摘している。
調査は2月17~20日、地質調査会社「応用地質」(東京都)がインターネットで実施。岩手、宮城、福島各県に住む18~69歳の男女1500人から回答を得た。回答者の85%は震災経験者だった。
 「被災地の防災意識は薄れていると思うか」との問いに、「薄れている」と回答したのは27.3%、「どちらかというと薄れている」としたのは50.1%だった。年代別では、50代が「薄れている」と回答した割合が最も高く28.9%、30歳未満は20.8%で最も低かった。
 防災意識が薄れた理由(複数回答可)としては「時間が経過し同規模の災害は起こっていない」が最も多く62.4%。「注意報や避難情報が頻繁で慣れてしまった」が32.0%、「防災対策事業やインフラ整備が進み安心感が増している」が22.0%と続いた。
 政府が2021年、千島海溝・日本海溝沿いの巨大地震で東北地方の太平洋側でも大きな被害が出る恐れがあると公表したことに関し、自身や家族がこの地震による津波浸水エリアに住んでいるかとの質問には、4人に1人が「調べていないので分からない」「発表自体知らない」と回答した。
 東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授(災害伝承学)は「(津波被害の)新想定があるなか大きな懸念が残る結果だ」と指摘。「防災意識の薄れが若い世代で比較的低かったのは、3県で防災教育が熱心に行われていることが反映されているのではないか」と分析した。

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