過去に現職元首2人に逮捕状 外遊に支障も―国際刑事裁

東京, 3月19日, /AJMEDIA/

国際刑事裁判所(ICC)は過去に現職の国家元首2人に対して逮捕状を出した。ただ、逮捕状の執行機関がないICCは逮捕を各国に頼らざるを得ず、いずれもICCへの身柄引き渡しには至っていない。
ICCは2009年、スーダンのバシル大統領(当時)に現職の国家元首として初めて逮捕状を出した。03年に始まったダルフール紛争に絡み戦争犯罪などの容疑が持たれている。在任中は逮捕されず、外遊もしていたが、19年のクーデターで失脚し、収監された。スーダン政府は21年、バシル氏をICCに引き渡す方針を閣議決定しているものの、実現していない。
 バシル氏は在任中、たびたび外遊の取りやめや日程変更を余儀なくされた。報道によると、13年に飛行機でイランに向かったところ、サウジアラビアに「正式な申請がない」として領空通過を拒否され引き返した。15年には国際会議出席のためインドネシアを訪問しようとしたが、複数の国が領空通過を拒否し、直前に外遊を中止。ただ、翌16年にはインドネシアを訪れている。サウジ、インドネシアともICCに加盟していない。
 逮捕状が出たもう1人の国家元首はリビアの故カダフィ大佐だ。ICCは11年、カダフィ大佐(当時)に対し、民主化運動弾圧に絡む人道に対する罪で逮捕状を出した。しかし、大佐はその後、反体制派に殺害され、ICCは被疑者死亡のため手続きを打ち切った。

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