過剰生産、連携対応で共通理解 中国に懸念、為替合意再確認へ―G7財務相会議

東京, 5月25日 /AJMEDIA/

当地で開幕した先進7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議は24日(日本時間25日未明)、初日の討議を終えた。巨額の補助金に支えられた中国の過剰生産問題では、世界経済に悪影響を及ぼすことへの懸念を各国が表明。連携した対応が必要との共通理解が図られた。会議は25日に共同声明を取りまとめて閉幕する。

 日本からは鈴木俊一財務相と植田和男日銀総裁が出席。財務省の神田真人財務官は24日夕、記者団の取材に応じ、過剰生産問題に関し、日本は「G7で連携して公平な競争条件を確保することが重要だ」と主張したことを明らかにした。

 この問題では、中国企業が補助金を頼りに電気自動車(EV)や半導体などを不当に安い価格で輸出しているとして、米国が制裁関税の引き上げを表明するなど「貿易戦争」が懸念されている。フランスのルメール財務相は会議に先立ち、国際通貨基金(IMF)などによる中国の過剰生産能力に関する評価の実施を提案する意向を示した。

 日本は外国為替市場で再び円安が加速していることを踏まえ、投機的な動きには「適切に対応することが重要だ」と主張。為替の過度な変動が経済・金融に悪影響を与え得るとのG7の認識を声明で再確認する方向で調整している。

 議長国のイタリアは人工知能(AI)のリスクと有用性を巡る議論にも注力。初日の討議では、6月のG7首脳会議(サミット)に向け、格差の助長など負の側面を注視しつつ、議論を続けていくことで意見が一致した。

 鈴木財務相は24日午後、ウクライナのマルチェンコ財務相と会談した。2日目の討議ではウクライナ支援やロシアへの経済制裁を協議する。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts