規正法ずれ込み、日程窮屈 終盤国会、未成立の法案山積

東京, 6月8日 /AJMEDIA/

 自民党の派閥裏金事件を受けた政治資金規正法改正案が7日、参院で審議入りした。「ざる法」と反発する立憲民主党などは、内閣不信任決議案の提出も視野に抵抗を強める構え。改正案の衆院通過は、修正協議が難航した影響で、自民の想定からずれ込んだ。今国会の会期末が23日に迫る中、政府提出の10法案以上も積み残しのままで、参院審議の日程は極めて窮屈だ。

 「来週以降、審議日数は(平日で)10日しかない。参院の責務を全うするため結束して臨みたい」。自民の石井準一参院国対委員長は7日の党会合で、終盤国会の対応に万全を期すよう訴えた。改正案の衆院審議は、土壇場で自民が公明党と日本維新の会の修正要求を受け入れ、予定された4日の本会議採決が6日に先延ばしとなった。

 参院政治改革特別委員会は、10日から改正案の質疑が始まる。与党は、14日の参考人質疑を経て、18日に岸田文雄首相に対する質疑を行い、採決する日程を描く。参院本会議での可決、成立は19日を見込んでいる。

 ただ、立民の泉健太代表は7日の記者会見で、引き続き改正案の修正を求める考えを表明。共産党の山添拓政策委員長も「企業・団体献金の禁止という肝心要のところが抜け落ちている」などと同調した。

 参院では、非常時に国による自治体への指示を可能とする地方自治法改正案▽技能実習に代わる外国人材受け入れ制度「育成就労」創設を柱とする入管難民法などの改正案▽子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を確認する制度「日本版DBS」導入のための児童対象性暴力防止法案など、重要法案の審議が残っている。

 求心力低下に苦しむ首相は、不測の事態を避けるため、23日までの会期を延長しない方針だ。これに対し、立民は会期末に向けて「本当の意味のヤマが来る」(安住淳国対委員長)と予告。内閣不信任案もちらつかせ、政府・与党をけん制する。19日には岸田政権下で初の党首討論も調整中だ。

 自民内では、公明や維新の修正要求に応じた首相への不満も膨らむ。党幹部は「何かあれば(国会日程の)想定は吹き飛ぶ」と指摘した。

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