東京, 7月11日, /AJMEDIA/
「とんでもないことをするだろうと思っていた」。検察側が袴田巌さん(87)の再審公判で有罪立証する方針を示したことについて、姉のひで子さん(90)は10日、記者会見で検察を批判し、「裁判で最終的に勝っていくしかない」と力を込めた。弁護団も「即時抗告審の蒸し返しだ」と怒りをあらわにした。
検察、有罪立証方針を表明 「証拠捏造に根拠ない」―袴田さん再審、審理長期化も
ひで子さんはこの日、袴田さんに「静岡市に行く」とだけ伝え、「ああ、そう」と返事があったという。「結果は一切言っていない。静岡市に行ってきましたよと言うだけ」と語った。
検察側の有罪立証で、無罪判決を得られる日は遠のくことに。だが、ひで子さんは「(裁判で)57年闘っているから、長くなったってどうってことない」と気丈に語った。
会見に同席した弁護団の小川秀世事務局長は「検察に改めてがっかりした」と語気を強め、「無実であると分かってやっているとしか思えない」「人の人生をなんだと思っているのか」と繰り返し批判した。
その上で、「再考させるために努力しなければならない」と語り、今後の裁判では「最初から事件の捜査自体が、ゆがめられてきたと強調したい」と述べた。