被爆地・広島などから悼む声 平和運動に深い関わり―大江健三郎さん死去

東京, 3月14日, /AJMEDIA/

亡くなったノーベル文学賞受賞者の大江健三郎さんは愛媛県出身で、反核や護憲など平和運動への関わりが深いことで知られた。ゆかりの人たちからは13日、悼む声が相次いだ。
大江さんが卒業した愛媛県立松山東高校では、大江さんが文芸部(現文芸・俳句部)に所属していたときに創刊した雑誌「掌上」が今も発行を続けている。現在編集長を務める田辺広大さん(17)は「今の部は俳句に重きを置いているが、やはり大江さんという巨人の背中が見え隠れする。喪失感が大きい」と話した。同高OBの和田真志校長(60)は「日本にとっての財産、本校にとっての偉大な先輩を失った」と惜しんだ。
 広島の被爆者で「反核の父」と呼ばれた故森滝市郎氏の次女、春子さん(84)=広島市=は「本当に大切な存在を失ってしまった」と残念がる。「(大江さんは)言論を通じて自分の訴えを伝えていたので、そういうものは残っていく。その一つが『ヒロシマ・ノート』。父をはじめとする被爆した人々の思いを、鋭い洞察眼で伝えてくれた」と振り返った。
 大江さんが呼び掛け人となった護憲団体「九条の会」は「あまりにも大きな喪失。時々の大江さんの言葉を想起しながら、しっかりと『九条の会』運動を前に進めていく」とする小森陽一事務局長の談話を出した。

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