被災者の生活再建が焦点 死者5.2万人超―違法建築で200人以上逮捕・トルコ地震1カ月

東京, 3月6日, /AJMEDIA/

【カフラマンマラシュ(トルコ)時事】トルコ南部での大地震発生から、6日で1カ月がたつ。死者はトルコで4万6000人、隣国シリアとの合計で5万2000人を超え、その後の余震や別の地震でも被害が出た。現地では仮設住宅の設置が急ピッチで進められ、被災者の生活再建が焦点となっている。
 トルコ当局によると、同国の被災地では2月6日未明に起きたマグニチュード(M)7.8の地震以降、余震を含め1万3000回以上の揺れが観測されている。6日午後のM7.5では多くの建物が倒壊し、20日や27日の地震でも死傷者が相次いだ。3月3日にも比較的大きな余震があり、南部カフラマンマラシュ県などで建物が揺れた。
 トルコ国内だけで21万4000棟以上の建物が、倒壊または倒壊の危機に直面している。当局はがれきの除去作業を進めるが、被害が広範囲に及んでいるため難航。被災地の人口密集地には、なおおびただしい数のがれきの山が残されている状況だ。危険な建物の解体も急務だが、多くは放置を余儀なくされている。
 エルドアン大統領は「被災者全員に安全な住宅を1年以内に用意する」と繰り返し強調。当局によれば、3月3日に住宅の建設工事が始まった。しかし、テント暮らしを強いられている140万人以上の避難者向けの仮設住宅は、準備が始まったばかり。被災者らは「先行きの見えない生活が、いつまで続くのか」と一様に不安を募らせる。
 倒壊した建造物の多くは耐震基準を満たさない欠陥住宅とみられ、当局は被災した10県で違法建築に関与した疑いのある人物の摘発を進めている。アナトリア通信によると、損壊した建物の建設責任者ら218人が2日までに逮捕された。
 シリアでの建物被害も深刻で、世界銀行の試算によると、直接的な被害額は51億ドル(約7000億円)に上った。アサド政権と反体制派が対立する内戦の影響もあり、住宅再建は困難に直面している。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts