東京, 02月02 /AJMEDIA/
国会では1日午後、衆議院本会議で2日目の代表質問が行われ、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、各党が議員も責任を負う「連座制」の導入も含め政治資金規正法の改正などを求めました。これに対し、岸田総理大臣は党として考え方をまとめ議論する意向を示しました。
《政治資金パーティーめぐる問題について》
▽日本維新の会の馬場代表は、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について「派閥解消を政治改革の中心に据える動きが加速しているが、目くらましと言わざるをえない。本筋は『裏金問題』で、問題の全容を明らかにせず派閥を解散して幕引きとするのは許されない」とただしました。
これに対し、岸田総理大臣は「政策集団から人事と資金を切り離すことは政治改革の本丸の1つだ。政策集団のあり方の改革に加え関係者による説明責任が果たされるべきなのは当然で、党としても関係者の聴き取りを行うこととしており、目くらましとの批判はあたらない」と強調しました。
また、政党のガバナンスに必要な組織規定などを定める「政党法」の必要性を問われ、岸田総理大臣は「政党が期待される役割を果たすため政治活動の自由が最大限尊重されなければならないという意見もあり、『政党法』の制定は慎重な検討が必要だ」と述べました。
さらに、議員本人も責任を負う「連座制」の導入をめぐり、岸田総理大臣は「対象とする政治団体の範囲や違反の種類など、さまざまな課題について丁寧な議論を行う必要があるが、今後、党としての考え方をとりまとめ、議論していきたい」と述べました。
▽公明党の石井幹事長は「政治への信頼を取り戻すため、派閥の解消にとどまらず、政治資金規正法の改正に与野党の枠を超えて取り組むべきだ。『連座制』を導入し、罰則の強化を図ることも極めて重要だ」と指摘しました。
これに対し、岸田総理大臣は「政治資金の透明化や公開性の向上、より厳格な責任体制の確立などに各党と真摯(しんし)な協議を行っていく。政治資金規正法の改正についても党としての考え方をまとめたうえでしっかりと議論していきたい」と述べました。
▽共産党の志位議長は「金権腐敗政治の根本にある企業・団体献金の禁止に岸田総理大臣は背を向けている。経済的に圧倒的な力のある企業が献金することが政治をゆがめ、国民の参政権を侵害することになる」と訴えました。
これに対し、岸田総理大臣は「論理の飛躍がある。企業・団体献金は各党・各会派の長年の議論を経て現在の姿になっており、政党などが取り扱うこと自体が不適切とは考えていない」と述べました。
▽国民民主党の玉木代表は「派閥の解消や法改正の前に、誰がどのような法令違反を犯したのか全容を解明するのが最優先だ。予算案の審議が始まる前の来週月曜日の朝までに違反者のリストを出してほしい」と求めました。
これに対し、岸田総理大臣は「自民党の各政策集団や議員側の政治団体で政治資金収支報告書の訂正作業が順次行われているところであり、その作業を踏まえつつ可能な情報提供を行っていく」と述べました。
《岸田首相 来年開催の大阪・関西万博について》
一方、来年開催される大阪・関西万博をめぐり、岸田総理大臣は「現時点で万博関連の資材調達などで能登半島地震の復興に具体的な支障が生じるとの情報には接しておらず、万博を延期・中止する必要があるとは認識していない。今後も復興に支障が生じることがないよう政府を挙げて取り組んでいく」と述べました。
岸田首相 憲法改正について
このほか憲法改正について、岸田総理大臣は「先送りできない重要な課題であり、自民党総裁としての任期中に憲法改正を実現したいという思いはいささかの変わりもない。時間的制約がある中でも一歩でも前に進めるため、党内の議論を加速させるなど憲法改正の課題に責任を持って取り組む決意だ」と述べました。
維新 馬場代表「評論家のように話すが やる気感じられなかった」
日本維新の会の馬場代表は記者会見で「岸田総理大臣は評論家のようにきれいに話すが、やる気はあまり感じられなかった。政治改革についても、今まで『派閥』と言っていたのを『政策集団』と繰り返し、どんなにヤジを受けても『派閥』ということばは使わないありさまで、表面上のことだけを考えているようだった。唯一、大阪・関西万博だけは、『オールジャパンでやる』という固い意志が感じられた」と述べました。
国民 玉木代表「ゼロ回答言わないが『塩対応』だった」
国民民主党の玉木代表は記者団に対し「ゼロ回答とは言わないが、『塩対応』だった。『トリガー条項』の凍結解除についても答えがなかったのは極めて残念だ。岸田総理大臣は、自民党を守るために派閥の解消を誰にも相談せず1人で決めたのだから、今度は国民生活を守るために『トリガー条項』の発動を決断するときだ」と述べました。