蔡総統「経由地外交」で米台結束誇示 下院議長と会談―中国、対抗措置を示唆

東京, 4月7日, /AJMEDIA/

【シミバレー(米カリフォルニア州)、台北時事】米国入りした台湾の蔡英文総統は米西部時間5日午前(日本時間6日未明)、ロサンゼルス郊外でマッカーシー下院議長と会談し「台湾が孤立していないことを再確認させてくれた」と強調した。中米歴訪からの帰途に立ち寄る「経由地外交」で米台の結束を誇示し、外交成果を勝ち取った。ただ、中国のいら立ちは深く「対抗措置」を示唆している。
蔡総統「台湾は孤立せず」 米下院議長と結束確認―ロス郊外で会談

 台湾メディアによると、台湾総統が米国で下院議長と会談するのは初めて。米下院議長は大統領権限の継承順位が副大統領に次ぐ要職だ。
 会談の舞台はレーガン大統領図書館。台湾主要テレビ各局は台湾時間の未明にもかかわらず現場の様子を中継し「台米外交の大突破」(民視新聞台)と報じた。昨年8月のペロシ下院議長(当時)の訪台から8カ月もたたないうちに再び米下院議長と面会することの異例さも取り上げた。また、内外から約160のメディアが取材に押し寄せたことなど、国際社会の関心の高さを伝えた。
 両氏は会談終了後、記者団の前でそれぞれ談話を発表。蔡氏は台湾統一圧力を強める中国を念頭に「われわれが維持してきた平和は前例のない試練に直面している」と警告した。対中政策に関しては、統一も独立も主張しない「現状維持」路線を守り抜くと会談で表明したことを明らかにした。
 マッカーシー氏も「米台の結束はかつてなく強い」と断言。「米台の友情は経済的自由の維持と、平和と地域の安定に重要だ」と訴えた。
 「一つの中国」原則を掲げる中国は経済力を背景に、台湾と外交関係を結ぶ国や友好国を切り崩し「孤立化」を図っている。米中対立が激化する中、特に米国との接近には神経をとがらせる。
 中国は昨年、ペロシ氏が訪台した際、台湾周辺でこれまでにない大規模な軍事演習を実施し米台を威嚇した。今回も「経由地」として米国に滞在する蔡氏の外遊にかねて警告を発していたが、食い止められなかった。会談を受けどのような対抗措置を講じるか、米台は警戒を強めている。

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