東京, 8月10日 /AJMEDIA/
戦時中に戦意高揚のために作られたいわゆる国策落語を落語家の林家三平さんが都内で演じ、「笑い話を聞くことができる時代が続くことが幸せだと分かってもらいたい」と訴えました。
国策落語は戦時中に戦意高揚のために当時の人気落語家によって作られたもので、林家三平さんが9日東京・新宿の寄席で演じました。
披露したのは祖父の七代目林家正蔵が作った「出征祝」です。
召集令状が届いた店の若旦那とそれを喜ぶ父親の大旦那や番頭たちを描いていて、三平さんは自分が戦死したあとの店の将来を心配する若旦那と、息子が召集されて国に貢献できることを喜ぶ大旦那を演じ、最後は「酒を2本買った」を「日本勝った」にかけたオチで締めくくりました。
長野県から訪れた女性は「笑えないけれど緊張感がある内容で、こうした落語しか聞くことができなかった当時のことを考えさせられました」と話していました。
公演のあと三平さんは「国策落語のような噺しか聞くことができなかった戦時中を体感してもらうことで、笑い話を聞くことができる時代が続くことが幸せだと分かってもらいたい」と話していました。