若者が中心となり気候変動対策訴えるデモ 世界約1500の都市で

東京, 9月25日, /AJMEDIA/

若者が中心となって気候変動対策を訴える活動が24日、世界各地で一斉に行われ、政府や企業に対策の強化を求めました。

この活動は、スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんなどが立ち上げた若者たちの運動「未来のための金曜日」が呼びかけました。

主催者によりますと、金曜日の24日、世界99の国や地域のおよそ1500の都市でイベントが行われ、日本ではオンラインで集会が開かれたほか、ドイツでは合わせて62万人がデモに参加するなど、各地の新型コロナウイルスの感染状況に応じて活動が行われたということです。

このうち気候変動対策の国連の会議「COP26」が来月末から開かれるイギリスでは、ロンドンの議会前に200人以上が集まってデモ行進を行い、化石燃料への投資の停止など、対策の強化を求めました。

デモを企画した1人、ドミニク・パーマーさんは「気候変動の影響を受けやすい国々を支援する重要性を訴えるために来ました。COP26を開催するイギリス政府は具体的な計画を立て、ことしこそ気候変動対策の出発点にしなければなりません」と訴えました。

世界各地で毎年のように熱波や干ばつ、洪水などが観測されている中、各国政府に抜本的な気候変動対策を求める声は年々高まっていて、若者たちを中心とする、国を超えた連携が広がっています。

ベルリン中心部にある連邦議会議事堂前には24日、学校を休んで参加した若者などおよそ5万人が集まり、スウェーデンの18歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんとともに「気候の正義を、今こそ!」などとシュプレヒコールをあげながら市内を行進しました。

参加者は「プラスチックにノー」とか「地球を癒やそう」などと書かれたメッセージを掲げ、中には「気候はビールのようなものだ。温まったらまずい」と書かれたユニークな看板でアピールする人もいました。

行進のあと、再び連邦議会議事堂前に戻ってきたグレタさんは「気候危機に対しては、新型コロナウイルスのパンデミックとは異なり、緊急事態宣言が出されたことは一度もない。どの政党の取り組みも十分ではなく、パリ協定の目標を達成するのに遠く及ばない」と述べ、現状への危機感を訴えました。

そのうえで、投票を26日に控えたドイツの有権者に向けて「投票は必要だが、それだけでは十分ではない。通りに出て、リーダーたちに気候変動への実質的な対策を求めていかなければならない」と述べ、政治家への働きかけを続けるよう呼びかけました。

学校を休んでデモに参加したという14歳の女子中学生は「地球が崩壊したら手遅れです。いますぐ行動を起こすべきなので、きょうここに来ました」と話していました。

日本でも全国各地から若者など400人以上がオンライン上で集まって、新たな石炭火力発電所の建設の中止など、日本の気候変動対策の強化を訴えました。

このうち、スピーチを行った高校2年生の廣瀬みのりさん(17)は「熱波や山火事など、異常気象を耳にすることが増えこれから私たちも大切な人を失うかもしれません。私は17歳なので投票権はまだありませんが、これから生まれる世代のためにも気候変動対策を重視している候補者に投票しましょう」と訴えていました。

また、ゲストとして参加した大阪市立大学の斎藤幸平准教授は「現在私たちは新型コロナで振り回されていますが、コロナが最後の危機ではなく、気候変動の危機がこれからも慢性的に続きます。私たちに残された時間はわずかです」と述べ、気候変動を抑制するためには今の社会のシステムを大きく変える必要があると訴えました。

主催者のひとりで高校2年生の原有穂さん(16)はNHKの取材に対して「オンラインだからこそいろんな人が集まることができました。これから国連の会議であるCOP26や、衆議院選挙などもあり、若者も引き続き声を上げていくので注目してほしいです」と話していました。

若者たちによるデモ行進は、国連総会で各国の首脳が集まり、気候変動などについて話し合いが進められているアメリカのニューヨークでも行われました。

ことしは2年ぶりに街なかでデモが行われ、ニューヨークの市庁舎の前には24日、1000人を超える人が集まり「地球の代わりはない」とか「汚染ではなく解決策を」と書かれたプラカードを掲げ、「気候に正義を!」などと声を上げながら市内を行進しました。

おととし、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんとともに国連の気候変動に関する会合に参加した19歳の大学生、ジェイミー・マルゴリンさんは「2年前、温暖化問題の公正な解決を求めてここで行進しました。2年後、同じものを身につけてここに来ましたが、指導者たちはまだ行動を起こさず、事態は悪化しています」と述べ、各国の指導者たちは早急に具体的な対策に取り組むべきだと訴えました。

学校を早退して参加したという17歳の男子学生は「気候危機は実際に起きています。ニューヨークでも今月、大規模な洪水が起きました」と話し、気候変動対策を急ぐよう訴えていました。

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