綱とりへ崖っぷち 貴景勝、力なく―大相撲春場所

東京, 3月16日, /AJMEDIA/

左膝には、前日まではなかったテーピングが施されていた。不安は的中。貴景勝は阿炎の引き技に足がついていかず、力なく土俵を割った。序盤戦で早くも2敗目を喫し、綱とりへ崖っぷちに立たされた。
土俵下の佐渡ケ嶽審判部長(元関脇琴ノ若)は敗れた姿に「無理はしてほしくない。本来の足腰なら、残せている」と案じた。横綱昇進へは、高いレベルの優勝が求められる。状況は厳しくなった。
 初日黒星から2連勝。本来の押し相撲を発揮して波に乗れそうな雰囲気があっただけに、3日目の正代との一番の後に見せた足を引きずる様子は痛々しかった。「下半身さえ鍛えれば、相撲が取れる」というのが信条の大関。精神的に立て直すのも容易ではないだろう。
 うつろな表情で花道を引き揚げた。場所前には「ここで後悔するようなことがあったら、一生忘れない」と誓った。連日、「満員御礼」の垂れ幕が下りる地元での春場所。ただ一人出場の看板力士が、ここから意地を示すことをファンも願っている。

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