米、一転して「侵攻」 さらなる経済制裁へ

東京, 2月23日, /AJMEDIA/

ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロ派支配地域の独立を承認し、軍部隊派遣を決めたことをめぐり、慎重な見方を示していたバイデン米政権は一転、ウクライナへの「侵攻だ」との立場を明確にした。米政権は今後、同盟・友好国と調整して追加制裁措置の実施に取り掛かる方針だ。
 ファイナー米大統領副補佐官は22日、CNNテレビに対し、軍部隊派遣を決めたロシアの決定は「侵攻の始まりだ」との見方を示した。米政府高官は21日夜、ロシア軍の東部派遣は「新たな動きではない」と明言していた。
 バイデン大統領は21日、親ロ派支配地域への米国人の新規投資などを禁じる大統領令に署名。経済制裁の発動を決めた。ただ、サキ大統領報道官は声明で、一連の措置はロシア軍が侵攻した場合に発動する「迅速で厳しい経済措置」とは異なると説明していた。
 米政府高官も記者団に、ウクライナ政府と親ロ派との紛争が始まった2014年以降、ロシア軍は東部に居座り続けていると指摘。ロシア軍の東部派遣をウクライナ侵攻とは見なさない考えを示した上で「戦車が押し寄せるまで外交を続ける」と強調していた。
 侵攻か否かの判断に米政権が慎重だったのは、衝突の瀬戸際まで外交的解決を目指すためだ。ブリンケン国務長官は20日、CNNテレビで「制裁(警告)の目的は第一にロシアが戦争を引き起こすことを阻止することにある」と説明し、「実行した瞬間に抑止力はなくなる」と語っていた。
 24日にはロシア軍の侵攻がないことを条件に、ジュネーブで米ロ外相会談が予定されている。CNNによれば、ブリンケン氏は21日夜の時点で会談をキャンセルしていない。ただ、原則合意した米ロ首脳会談の開催について、米高官は「侵攻が差し迫っている時に約束はできない」と警告。侵攻だとの判断に傾いたことで、緊張緩和の取り組みが暗礁に乗り上げる恐れも出ている。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts