東京, 1月8日, /AJMEDIA/
東京電力 福島第一原子力発電所で試験的に採取された核燃料デブリを分析してきた日本原子力研究開発機構は、デブリの一部を兵庫県にある大型実験施設「SPring-8」に運び、特殊な光を使ってより細かい構造などを調べると発表しました。
福島第一原発2号機では、去年11月にかけて、事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざり合った核燃料デブリの試験的な取り出しが初めて行われ、重さ0.7グラムのデブリが採取されました。
デブリは茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の施設で分析が行われ、これまでに核燃料に含まれるウランなどが検出されています。
原子力機構はより詳しい分析を行うため、デブリを細かく分け、兵庫県佐用町にある大型実験施設「SPring-8」など、4つの研究施設に分配すると発表しました。
「SPring-8」は特殊な光を使って物質の細かな構造などを調べる施設で、小惑星探査機の「はやぶさ2」が持ち帰ったサンプルの分析などでも使われています。
この施設でデブリ内部の結晶構造や酸化状態などを分析し、事故当時の原子炉内での温度変化のほか、デブリの硬さや粘りけなどに関するデータを収集する計画だということです。
原子力機構は今後、デブリを取り出す工法や安全な保管方法などの検討に生かしていきたいとしています。