東京, 5月17日, /AJMEDIA/
陸上女子1500メートルの日本記録を持つ田中希実(22)=豊田自動織機=が、さらなる成長を求めて米国遠征に臨む。新社会人として「チャレンジの年」と位置付けている今季、4~5月に400メートル、800メートル、1500メートル、5000メートル、そして1万メートルと、「本職」以外の距離も含め休む間もなく参戦。米国では、世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)などに参戦する予定だ。
今春に同大を卒業し、大学時代からサポートを受けてきた豊田自動織機に入社した。実戦感覚などを磨くため、週2本程度という異例のペースでレースに出場。4月の兵庫リレーカーニバルでは、1500メートルの直後に1万メートルを走った。「いろんな種目に出ることで、楽しむ気持ちやチャレンジ精神が生まれてくる」
利点を挙げる一方で、集団での駆け引きやラストスパートなどの課題も自覚。積極的なレース運びから終盤、力を温存していた外国人選手に競り負けるケースが目立ち、「国内では『日本人トップ』ばかり。海外の選手にも勝って初めて、強いと思える」。怖いもの知らずで8位に入賞した昨夏の東京五輪までに比べ、ラスト勝負に対し、いい意味の恐怖心がある。それを「新しい成長の過渡期」と捉える。
エントリーしているDL第3戦(28日、米オレゴン州)の会場は、7月の世界選手権と同じ。女子1500メートルには、東京五輪のメダリストや入賞者が名を連ねる。「伸び伸びと海外レースの雰囲気を味わえるように、経験を積んで世界陸上に向かいたい」。世界選手権代表選考会を兼ねる6月の日本選手権(大阪市)を前に、世界の舞台で真っ向勝負に挑む。