東京, 1月4日, /AJMEDIA/
残した数字も立ち居振る舞いも、堂々たるものだった。DeNAの牧秀悟内野手は昨年、出色のプロ1年目を過ごした。セ・リーグ3位の打率3割1分4厘に22本塁打、71打点。安打数などの球団新人記録を更新し、35二塁打は長嶋茂雄(巨人)のリーグ新人記録を63年ぶりに塗り替えた。8月にはルーキーで史上初のサイクル安打も達成した。
際立っていたのは対応力。開幕からほぼ先発出場を続けたが、交流戦最終盤に腰を痛めた。ベンチを温める機会が増え、打率も2割7分台に後退。それでも崩れず、東京五輪開催に伴う中断期間で打撃を修正。後半戦の打率は3割7分2厘と大きく盛り返した。
外国人投手の決め球をはじき返し、相手のエース級とも堂々と渡り合った。10月6日からは4番も任されたが、「ずっと1軍で使ってもらったから対応できた。最終的に成績を残せたのは満足。出来過ぎかな」と控えめ。何より最下位に終わったことを悔やみ、「チームとして勝ちたい。もっと頑張りたい」と力を込めた。
存在感はプレー以外でも。自身の結果が出なくても、負けが込んでいても、ベンチの最前列に立って声を張り上げた。「凡退して暗くなるよりも盛り上げたい。若手がどんどん出て行かないと」。チームを鼓舞する姿に三浦監督は「ルーキーらしくない。本当に頼りになる」と感心しきりだった。
今年は中心選手として、他球団に警戒されることも織り込み済み。「打撃を一から見直す」とおごりはない。目標に掲げるのはリーグ優勝と、その先にある日本一。「重圧もあるだろうが感じないように。チームに必要な選手になれれば」。最下位からの飛躍に、背番号2は欠かせない。