東京, 9月19日 /AJMEDIA/
再建工事中の沖縄・首里城正殿の屋根に取り付ける龍の頭の形をした巨大な焼き物「龍頭棟飾(りゅうとうむなかざり)」のおよそ200個のパーツを組み上げて全体のバランスなどを確認する作業が19日行われ、首里城のシンボルの全体像が見えてきました。
「龍頭棟飾」は、再来年秋の完成に向けて再建工事が進む首里城正殿の屋根の正面と両端に合わせて3つ取り付けるもので、大きいものは長さ3メートル40センチほどあります。
このうち、正殿に向かって左側に取り付けられる「吽形(うんぎょう)」という口を閉じた龍の頭の「仮組み」の作業が南城市の工房で行われました。
龍の眉や鼻、うろこなど細かく分かれたパーツの数はおよそ200個に上り、職人たちは発泡スチロールの土台の上に慎重に設置して竹串で固定していきました。
そして、隙間ができていないかや全体のバランスなどを確認しました。
作業が進むにつれ、正殿の守り神の威厳ある姿が現れ、たてがみなどに使われた伝統的な釉薬「オーグスヤー」の柔らかな青緑色が印象的です。
今後、一部のパーツを固定し、来年度中に首里城正殿の屋根の上で組み立てる予定です。
作業に携わっている彫刻家の早川信志さん(35)は「首里城のシンボル的な彫刻なので、作業に携われて誇りに近い思いがある。横から見た顔でいかに眼の力を出すかにこだわった」と話していました。