民間人のみ搭乗の宇宙船 打ち上げ成功 国際宇宙ステーションへ

東京, 4月10日, /AJMEDIA

宇宙開発の歴史で初めてとなる、民間人のみを乗せて国際宇宙ステーションに向かう宇宙船が、日本時間9日、アメリカ・フロリダ州から打ち上げられ、無事、予定の軌道に入りました。

アメリカの宇宙開発企業「アクシオム・スペース」は日本時間の9日午前0時すぎ、アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターから、民間人4人が搭乗した宇宙船を国際宇宙ステーションに向けて打ち上げました。宇宙船は、およそ10分後に予定の軌道に入り、打ち上げは成功しました。

搭乗している4人のうち、船長のマイケル・ロペスアレグリア氏はNASA=アメリカ航空宇宙局の元宇宙飛行士ですが、乗客の3人はアメリカやイスラエル、カナダの起業家や投資家です。

国の宇宙機関に所属しない民間人のみが、国際宇宙ステーション滞在のため飛行するのは宇宙開発の歴史で初めてです。

4人は国際宇宙ステーションに8日間滞在し、世界各地の大学や研究機関などと共同で計画した科学実験を行う予定となっています。

宇宙船は打ち上げからおよそ20時間後の日本時間の9日午後8時半ごろ国際宇宙ステーションにドッキングする予定です。
搭乗費用は数十億円か
今回の飛行を計画した「アクシオム・スペース」は宇宙ステーションでの商業活動を目的としたアメリカのベンチャー企業です。

今回の飛行には宇宙開発企業「スペースX」が開発、運用する宇宙船「クルードラゴン」とロケット「ファルコン9」が使われたほか、万一事故が起きた際の救助も民間企業が担うことになっています。

搭乗者が支払った費用について正確な金額は明らかにされていませんが、これまでの記者会見での発言などから、費用は、ひとり当たり数十億円とみられています。

アクシオム・スペースは今回の飛行についてただの宇宙旅行ではないと強調し、今後、宇宙空間で継続的に商業活動を行ううえでの第一歩だとしています。

国際宇宙ステーションにはこれまでロシアの宇宙開発公社が運用する宇宙船に民間人が同乗して滞在したことが複数回ありますが、NASA=アメリカ航空宇宙局も、3年前国際宇宙ステーションの商業利用の制限を大幅に緩和し、アメリカの宇宙船で民間人が国際宇宙ステーションに滞在し、活動することが可能になりました。

アクシオム・スペースは国際宇宙ステーションに商業利用のための居住棟を建設する契約をNASAと結んでいて、早ければ2024年にも建設が始まる予定です。

国際宇宙ステーションは2030年まで運用される予定ですが、アクシオムスペースは運用終了後も独自の宇宙ステーションで宇宙での科学実験などの商業活動を継続していくとしています。

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