極右伸長、リベラル後退 親EU派が過半数確保―欧州議会選

東京, 6月11日 /AJMEDIA/

 欧州連合(EU)欧州議会選挙(定数720)の大勢が10日、判明した。暫定集計結果によると、「反EU」や「反移民」を掲げる極右・右派が勢力を拡大し、ロイター通信によれば、計146議席程度を獲得するもよう。欧州統合推進勢力のうちリベラル派は後退したが、中道右派・中道左派の主流2会派を中心とする親EU派全体では過半数を確保する見込みだ。

 親EUの中道右派「欧州人民党(EPP)」は185議席(改選前176議席)と、事前予想を上回り、最大会派の座を維持する公算となった。同じく親EUで中道左派「欧州社会民主進歩同盟(S&D)」は137議席(同139議席)になる見通し。

 極右会派「アイデンティティーと民主主義(ID)」は58議席(同49議席)、右派「欧州保守改革(ECR)」は73議席(同69議席)にそれぞれ伸長。IDが選挙2週間前に除籍したドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」も、6議席前後増やすとみられている。

 極右・右派の勢力拡大で割を食ったのは、2019年の前回選挙で主流派の受け皿となった親EUのリベラル派や環境派だ。暫定結果によると、中道リベラル会派「欧州刷新」は79議席(同102議席)、「緑の党・欧州自由連盟」は52議席(同72議席)に後退する。特に欧州刷新は、中核を担うフランスのマクロン政権の与党連合が極右政党「国民連合」に大敗。マクロン大統領は自国の国民議会(下院)解散・総選挙を表明した。

 欧州議会選は6~9日に加盟各国で投票が行われた。暫定投票率は51%で、前回選挙の50.66%並みだった。

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