検察側実験も「赤み残らず」 着衣の血痕、弁護団が見解―袴田事件

東京, 11月3日, /AJMEDIA/

 1966年の「袴田事件」で死刑が確定した袴田巌さん(86)=釈放=の第2次再審請求差し戻し審で、弁護団が2日、静岡市内で記者会見し、事件から約1年2カ月後にみそタンクから見つかり、犯行時の着衣とされた衣類の血痕に関する検察側の実験結果について「赤みが残っていなかった」との見解を明らかにした。
 当時の捜査書類には「赤褐色」との記載があるが、弁護団は「黒褐色」に変わったとの実験結果から「証拠の捏造(ねつぞう)」と主張。検察側の実験でも同様の結果が得られたとし、「再審開始はほぼ間違いないと確信している」と述べた。
 弁護団によると、血痕の色調変化を調べるため、検察側も静岡地検でみそ漬け実験を実施。約1年2カ月が経過した1日、東京高裁の大善文男裁判長や弁護団の立ち会いの下、試料の取り出しが行われた。
 裁判長の見解は示されなかったというが、西沢美和子弁護士は「一見して赤みが感じられない程度に色調が変化していると考えている」と語った。小川秀世弁護士は「検察側の実験で犯行時の衣類ではないと示す結果が出た」と話した。
 再審開始の可否は双方の最終意見書提出を経て、今年度内に示される見通し。

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