普通郵便でクレカ、対応割れる 不在でも投函、不正利用を警戒

東京, 3月22日, /AJMEDIA/

クレジットカード入りの封書がポストに―。有効期限を迎える前に契約者へ新しいカードを送る際、普通郵便が利用され始めた。受け取りにサインか印鑑が必要な簡易書留などと違い、不在でもポストに投函(とうかん)されるのは契約者にとって便利だが、防犯上のリスクが否定できない。カード会社の大勢は送付方法の変更に二の足を踏み、対応が分かれている。
三井住友カードは昨年3月、更新カードの郵送方法を簡易書留から普通郵便に切り替えた。コロナ禍で、「対面せずに受け取りたいとの要望もあった」という。今年3月には、愛知県を拠点に約310万人の会員を抱えるUCSが追随。国内大手のジェーシービー(JCB)も検討を進める。
 ただ、普通郵便の場合、契約者が引っ越しても住所変更を届け出ないケースなど、更新カードが本人以外に届く可能性は否定できない。これが不正利用されないとは限らないほか、ポストから盗まれる恐れもあり、ためらうカード会社が多い。
 「イオンカード」を扱うイオンフィナンシャルサービスは変更を検討中としつつ、「口座番号が印字されたキャッシュカード一体型カードを主に扱っており、誤配時のリスクが大きい」と懸念する。クレディセゾンは、カード紛失時など再発行の場合に限って普通郵便で送る検討を進めているが、新規発行や更新カードは今後も書留での配送を続ける。「届け先が確実に最新の住所かどうか分からない」からだ。
 国民生活センターには、消費者から「きちんと届くのか」「防犯上の不安がある」といった相談が寄せられている。事実関係や真偽は不明ながら、「普通郵便で届いたため不正利用された」と訴える声もあったという。
 カード会社は不正に利用された場合の補償制度のほか、不正を検知するシステムも導入している。消費者庁は「まず会社がセキュリティー対策を講じ、顧客への情報提供をしっかりとすることが重要だ」と指摘する。

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