東京, 12月23日, /AJMEDIA/
日立製作所の自動車部品子会社、日立アステモ(東京)は22日、ブレーキやサスペンション部品の出荷検査や定期試験で不適切な行為が判明したと発表した。20年以上続いた不正もあるといい、社外弁護士による特別調査委員会を設置し、原因を究明する。来年半ばまでに調査を終了し、関係者の処分を検討する。
日立グループでは近年、日立金属や日立化成(現昭和電工マテリアルズ)でも検査不正が発覚している。記者会見した日立アステモのコッホ最高経営責任者(CEO)は「定期試験の重要性への意識が足りなかった」と述べ陳謝。ただ、「安全性に問題はない」と強調した。
不正が判明したのは、山梨工場(山梨県南アルプス市)と福島工場(福島県桑折町)。山梨工場では2003年10月~21年3月にかけて、ブレーキ部品5製品について、約5万7000件で顧客との間で取り決めた定期試験を実施していなかった。
福島工場ではサスペンション部品について、少なくとも18年4月以降、延べ1010万本で出荷検査の基準を変更したり、規格外の製品を出荷したりしていた。19年1月以降は、259件で定期試験の数値も書き換えていた。同工場では00年ごろから、こうした行為が行われていた。
日立アステモは、旧日立オートモティブシステムズとホンダ系の部品メーカー3社の経営統合で今年1月に設立された。問題が判明した両工場は日立系で、グループの監査や社員の申告で判明した。納入先は国内外の自動車メーカーなど16社に及ぶという。