東京, 7月09日, /AJMEDIA/
戸籍上は男性だが、女性として生活するトランスジェンダーの経済産業省職員が、庁舎で女性トイレの使用を制限されるのは不当として国に処遇改善を求めた訴訟の上告審判決が11日、最高裁第3小法廷である。LGBTなど性的少数者の職場環境を巡る最高裁の判断は初めて。性的少数者への理解増進法が6月施行されたが、国の具体的指針はなく、企業などの取り組みに影響しそうだ。
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二審は制限を「妥当」として職員側の敗訴としたが、判断が見直される可能性がある。
一、二審によると、職員は入省後に性同一性障害と診断され、女性としての勤務を申し出た。同省は、勤務するフロアから2階以上離れた女性トイレの使用は認めた。
6月に開かれた弁論で、原告側は「女性として社会生活を送る重要な法的利益が制約されている」と主張。国側は他の女性職員の意見も踏まえ、可能な対応をしたと反論した。
一審東京地裁は、制限は「真に自認する性別に即した社会生活を送る重要な法的利益を制約している」として、不当と判断。これに対し二審東京高裁は、同省は他の職員の性的不安も考慮しており制限は妥当とした。