広島の大瀬良、万感の偉業達成 力振り絞った129球―プロ野球

東京, 6月8日 /AJMEDIA/

 ポランコの打球が右翼手の野間のグラブに収まると、大瀬良はゆっくりと両手を突き上げた。ナインから手荒い祝福を受け、本拠地に駆けつけた3万1378人のファンからは万雷の拍手。「最高の瞬間を皆さんと分かち合うことができて、本当に幸せ」。笑顔がはじけた。

 テンポ良く、得意のカットボールやフォークをコーナーに投げ分けた。四回には味方の援護をもらい、さらに波に乗る。4―0で迎えた九回。いつか打たれるだろうという気持ちで投げていたが、ファンの声援を背に「ここまできたら、頑張ろう」。最後の力を振り絞った。

 2死から2者連続で四球を与えて得点圏に走者を背負ったが、129球目。ポランコを打ち取って歓喜の瞬間を迎え、「自分のことじゃないみたい」。夢見心地に振り返った。

 10年目の昨季は自己最悪の11敗(6勝)を喫し、オフには3度目となる右肘の手術に踏み切った。復活を期す今季は、これで負けなしの3勝目。規定投球回にも乗せ、防御率も1.07とした。

 苦手の交流戦では、自身にとって5年ぶりの白星。「1個、まず勝ちたかった。次につなげたい」。投手陣の軸として、本当の復活劇はこれからだと思っている。

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