川魚の大量死に苦慮 洪水と熱波が原因か―豪

東京, 4月2日, /AJMEDIA/

【シドニー時事】オーストラリア南東部のダーリング川上流で3月中旬、数百万匹の魚が死んで水面をじゅうたんのように覆った。洪水と熱波の影響で酸欠死したとの見方が有力で、当局は科学的調査に着手。死骸の除去作業が続いているが、環境の回復には時間がかかりそうだ。
魚が大量死したのは、シドニーから西へ約1000キロ離れたニューサウスウェールズ州メニンディーの流域。ボニーブリーム、マレーコッド、コイといった淡水魚の死骸が、腹を上にして浮かび上がった。消防当局や清掃業者がこれまでに約10トンの死骸を除去したが、川底に沈んだものも残る。地元漁師は収入源のコイ漁ができない状態にある。
 豪連邦科学産業研究機構(CSIRO)などによると、まず洪水で川の水量と栄養分が増えて魚と藻が急増。その後、水が引いて過密状態となったところに熱波が襲い、水中の酸素濃度が一気に低下したと推論されている。2019年にも同じ流域で魚の大量死があったが、この時は干ばつが原因だった。
 同機構のカーメル・ポリノ研究主任は「気候変動によって洪水や干ばつは増えると予想され、魚の大量死は再び起こり得る」と指摘。「水質や魚の数を適切に監視していくことが必要だ」と話している。

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