岸田首相初陣、衆院選へ必勝期す 野党一本化見送り、不協和音も―参院補選

東京, 10月08日, /AJMEDIA/

参院静岡、山口両選挙区の補欠選挙が7日告示された。初陣となる岸田文雄首相は、自民党が強い地盤を持つ両補選を制して直後の衆院選へ勢いを付けたい考えだ。野党は候補一本化を見送り、共闘に不協和音が漏れる。

 「この後には衆院選も控える。『岸田に任せる』という意思をいただきたい」。首相は7日、JR静岡駅前で拳を握りしめながら聴衆に訴えた。

 自民党は静岡で衆院8小選挙区のうち六つを占め、山口では4小選挙区を独占。党関係者は「どちらも優位」と見る。ただ、6月の静岡県知事選では自民推薦の新人が現職に敗北している。党幹部によると、首相は来週以降、再び静岡入りし、てこ入れを図る方向だ。

 菅義偉前首相は4月の衆参3補選などで負けが込み、8月の地元横浜市長選での大敗が退陣へ向かう負の連鎖の始まりとなった。取りこぼしは許されない自民は甘利明幹事長が7日、公明党の石井啓一幹事長に「協力をお願いします」と要請。石井氏は「一緒に頑張りましょう」と応じた。自民党の森山裕国対委員長は記者団に「衆院選のスタートになる選挙。必勝を期す」と語った。

 一方、野党は静岡で立憲民主党が推薦する国民民主党系の新人と、共産党新人が競合。国民の玉木雄一郎代表と共産の田村智子政策委員長は7日、それぞれ支援する候補の応援に駆け付けた。山口は共産党が独自に新人を擁立した。

 玉木氏は帰京後、国会内で記者会見し、静岡について「衆院選の前哨戦だ。勝てば野党に大きな弾みになる」と強調。野党共闘を掲げる共産党が独自候補を立てたことに「矛盾する。どういう判断をしたのか分からない」と不快感を示した。

 これに対し、共産党の志位和夫委員長は会見で、浜岡原発の再稼働反対など「旗幟(きし)を鮮明にしているのはわが党の候補者だけ」と主張。「それぞれの党が候補者を擁立する権利はある」と反論した。

 立民の枝野幸男代表は会見で「静岡は推薦しているので全力で戦いたい」と語った。一方で、一本化できなかった経緯を問われ「詳細を存じ上げない。総選挙とは全く違う次元で動いている」と答え、応援の予定についても「その余裕はない」と述べるにとどめた。ある立民衆院議員は「みんな自分の選挙で頭がいっぱい。静岡に関心を持っていない」と語った。

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