東京, 7月04日, /AJMEDIA/
東京電力福島第1原発の敷地内にたまる放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出計画を巡り、岸田文雄首相は4日午後、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長と面会する。IAEAがまとめる処理水の安全性についての評価を盛り込んだ包括報告書を首相が受け取る見通し。報告書を踏まえ、放出開始時期を最終判断する。
松野官房長官、処理水放出「夏ごろ」維持
IAEAは日本政府からの要請を受け、複数回にわたり調査団を日本に派遣し、安全性や原子力規制委員会の対応の適正さなどを検証してきた。これまでに処理水に関する報告書を計6本公表しており、今回が放出前最後の報告書となる。
政府と東電は、処理水の放出開始時期について「夏ごろ」を目指している。東電は6月末、放出設備の工事が完了したと発表。同委員会も、放出設備を点検する現地での使用前検査を既に終了。近く東電に終了証を交付する予定で、これをもって設備面での準備が完了する。
ただ、処理水の放出を巡っては地元漁業関係者のほか、中国や韓国などの近隣国・地域も強く反発しており、理解醸成が課題となっている。グロッシ氏は近く韓国とニュージーランド、南太平洋の島国クック諸島を訪問し、報告書について説明する予定だ。