東京, 9月30日, /AJMEDIA/
自民党総裁選の勝利から一夜明けた30日、岸田文雄新総裁(64)が本格的に始動した。10月1日に党役員人事を正式決定する方針で、同4日に発足させる新内閣を含めた人事の調整に入っている。二階幹事長の後任には、麻生派の甘利明税制調査会長(72)を起用する方向で最終調整している。
岸田氏は30日午前、自民党本部入りし、記者団に対し「就任してやることがいっぱいある。日程も窮屈な状況なので、めまぐるしく活動を始めている」と語った。人事については「今、よく考えている」と述べるにとどめた。岸田氏はこの日の昼、自身が率いる岸田派の会合に出席する予定だ。
幹事長に起用される方向となった甘利氏は、安倍前首相や麻生副総理兼財務相に近く、安倍政権の中枢を担った存在だ。この3人は頭文字を取って「3A」とも称されている。
甘利氏は岸田氏が6月に発足させた「新たな資本主義を創る議員連盟」に参加。総裁選では、同じ麻生派に所属する河野太郎行政・規制改革相(58)が出馬したにもかかわらず、岸田氏の支持を打ち出し、岸田氏陣営の選挙対策本部顧問を務めた。国会議員の支持拡大で前面に立ち、岸田氏も周囲に「功績者であることは間違いない」と語る。
岸田氏は10月1日に党執行部を決めた後、同4日召集の臨時国会での首相指名選挙を経て、新内閣を発足させる。直後には衆院選が控えており、党の結束を強めるとともに、清新さをアピールする陣容にしたい考えだ。
最大派閥・細田派からは、萩生田光一文部科学相(58)の官房長官など要職への起用が取りざたされている。総裁選で戦い、決選投票では岸田氏に協力した高市早苗・前総務相(60)や、党員・党友票でトップだった河野氏を重要ポストで処遇する案が浮上している。岸田氏は総裁選で、党役員への若手・中堅の積極的な登用を訴えており、閣僚への若手登用も検討している。
一方、参院自民党は30日、特別議員総会を開き、世耕弘成参院幹事長の再任を決めた。ほかの参院自民党の執行部人事については、関口昌一参院議員会長と世耕氏に一任することを確認した。