東京, 7月25日, /AJMEDIA/
安倍晋三元首相が奈良市で銃撃され死亡した事件で、無職山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=が、奈良県内の山中で「手製銃の試し撃ちを10回ぐらいした」と供述していることが24日、捜査関係者への取材で分かった。県警は、威力や性能を確認しながら複数の銃を製作していたとみて調べている。
県警は同日、奈良市の山上容疑者宅の3回目の家宅捜索を行い、衣類などを押収した。火薬や薬品の付着がないかなどの鑑定を進めるとみられる。
捜査関係者によると、山上容疑者は仕事が休みの日などに山中に向かい、実際に発射できるかや弾の飛び具合、威力などを確認。改良を加えながら完成まで試射を繰り返していたという。
県警は供述に基づき、山中から弾痕のような穴が開いた板やドラム缶を発見した。周囲からは発射した弾の一部とみられる金属片やプラスチック片が多数回収された。
事件に使われた金属パイプ2本を束ねた銃とは別に、これまでの捜索で自宅からは、パイプの数などが異なる銃が少なくとも5丁押収された。県警はそれぞれ試射したとみている。
山上容疑者は昨年3~9月に県内のアパートの一室を、同11月~今年2月にはシャッター付きのガレージをそれぞれ賃貸契約。いずれについても「火薬を乾かすために借りた」と供述した。自宅から電子はかりやミキサー、工具などに加え、複数の容器に分けて保管されていた火薬のような粉末も押収された。
県警は、山上容疑者が火薬を独自に調合していたとみて、押収した粉末の鑑定などを進めている。