将棋 藤井聡太七冠「永世棋聖」資格獲得 “非常にうれしい”

東京, 7月03日 /AJMEDIA/

将棋の八大タイトルの1つ、「棋聖戦」の第3局が名古屋市で行われ、藤井聡太七冠(21)が挑戦者の山崎隆之八段(43)に勝ち、「棋聖戦」を5連覇しました。この結果、藤井七冠は初めての永世称号となる「永世棋聖」の資格を獲得し、最年少記録を53年ぶりに更新しました。

一夜明け喜び語る
将棋の八大タイトルの1つ、「棋聖」を防衛し、最年少で永世称号を獲得した藤井聡太七冠(21)が記者会見し「獲得は非常にうれしい」と喜びを語りました。

藤井七冠は、1日、名古屋市で行われた「棋聖戦」五番勝負の第3局で山崎隆之八段(43)に勝ち、5連覇で史上最年少となる「永世棋聖」の資格を得ました。

一夜明けて記者会見した藤井七冠は「初めて『棋聖戦』でタイトル戦を経験したのが2020年だったので、5期もたったのだなという気持ちです。結果として永世称号を獲得できて非常にうれしいです」と喜びを語りました。

藤井七冠は今回がことし5度目の防衛戦となりましたが「さまざまな戦型を経験できたことはプラスと思う一方で、『叡王戦』では敗退し、内容的にあまりふるわないところもいくつかあったので、その点はこれからの課題だと思います」と振り返った上で「タイトル戦を戦っていく上では出来不出来の波を少なくすることが求められるので、そうした力をつけていけるようにがんばっていきたいと思います」と今後に向けた抱負を述べました。

藤井七冠の次の防衛戦は、今月6日に名古屋市で開幕する「王位戦」で渡辺明九段(40)の挑戦を受けます。

「棋聖戦」第3局【詳細】
「棋聖戦」五番勝負はここまで藤井七冠が2勝をあげ、タイトル防衛まであと1勝に迫っていました。

第3局は1日に名古屋市のお寺で行われ、序盤は、互いに飛車の前の歩を進めて戦う「相掛かり」の戦法で小競り合いが続きます。

後手の藤井七冠は、大駒の交換から相手の守りを徐々に崩し、形勢を有利にします。

山崎八段は持ち時間をほぼ使い切りながらも粘りを見せますが、午後6時46分、100手までで投了。

藤井七冠が3連勝で制し、4年前に初めて獲得して以来、「棋聖戦」を5連覇して「永世棋聖」の資格を得ました。

現在21歳11か月の藤井七冠にとっては初めての永世称号で、1971年に中原誠十六世名人(76)が築いた最年少記録「23歳11か月」を53年ぶりに更新しました。

藤井七冠は去年タイトルを独占し「八冠」を維持してきましたが、先月の「叡王戦」で初めて防衛に失敗し、「七冠」となっています。

一方、山崎八段は、2009年の「王座戦」以来、15年ぶり2度目のタイトル挑戦でしたが、初めてのタイトル獲得はなりませんでした。

藤井七冠の次の対局は、今月6日に名古屋市で開幕する「王位戦」で渡辺明九段(40)の挑戦を受けます。

対局後「光栄だが今後も活躍がより問われる」
対局のあと、勝利した藤井聡太七冠は「『銀』を活用していけるかがポイントになるかと思い序盤で『銀』を上げたが、その辺りの判断が常に難しいと思いながら指していた」と振り返りました。

そして、「棋聖戦」を5連覇して「永世棋聖」の称号を獲得したことについては、「初めてタイトルを取れたのが『棋聖戦』で、いろいろ思い出も多いので、その棋聖戦で今回、永世称号を獲得できたことはうれしい。光栄なことだが、同時に今後も活躍がより問われるのかなと思っている」と話していました。

一方、敗れた山崎隆之八段は「少し力戦的な形で動いたが、読み合いで上回られてずっと苦しいと思っていた。さすがの指し回しで最後までチャンスが回ってこなかった。自分なりに集中してふんばって指したところもあったが、シリーズを通して完敗だった」と話していました。

その上で、今回が15年ぶりのタイトル挑戦となったことについては「タイトル戦に出られるということは本当に幸せなことで、指していて楽しかったが、もっと自分が強ければその楽しさは無限にあったのかなと改めて感じた」と話していました。

藤井七冠 記者会見で決意も
藤井聡太七冠は感想戦を終えたあと、記者会見に臨みました。

この中で、出身地の愛知県でタイトル防衛を果たしたことについて「地元の方にも多く見ていただける機会になるので、いい将棋を指したいという気持ちは対局前から強く持っていました。この場所で結果を出すことができてすごくうれしく思っています」と喜びを語りました。

また、先月20日に行われた「叡王戦」の最終局で敗れ、タイトルを失ったあとで1日の対局に臨んだ心境について、「基本的には1局1局それぞれ頑張っていきたいと考えていますし、本局においてもそういうふうに思って対局しました。1局通して集中して指すことができたと思います」と話していました。

そして、史上最年少で永世称号「永世棋聖」を獲得したことについて、「まだ実感はそれほどないですが、『永世称号』は時代を築いた棋士が取るものというイメージがあったので、うれしく思うとともに、今後も長期間にわたって活躍できるように取り組んでいかなくてはいけないと思っています」と決意を語っていました。

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