大統領選にらみ政治的意図も U20W杯サッカー開催中止―インドネシア

東京, 3月31日, /AJMEDIA/

【ジャカルタ時事】5月から始まるサッカーU20(20歳以下)男子ワールドカップ(W杯)がインドネシアで開催されないことが29日、正式に決まった。外交関係がないイスラエルの参加に反発する自治体首長の声などを受け、インドネシアのサッカー協会が1次リーグ組み合わせ抽選会を実施5日前に延期したことが大きな引き金になったとみられる。一方で、そうした声が上がった背景には、来年2月のインドネシア大統領選をにらんだ政治的な意図も見え隠れする。
イスラエル出場を「保証」 U20W杯サッカー抽選会延期で―インドネシア大統領

 インドネシアは、イスラム教徒が国民の9割近くを占め、国の方針としてパレスチナの独立を支持する。昨年、U20W杯初出場を決めたイスラエルの参加に反発し、デモが行われるなどしていた。
 ただ、動きが加速したのは今月に入ってからだ。組み合わせ抽選会が予定されていたバリ州の知事が、バリ島でのイスラエルの試合を拒否すると関係者に伝達したのに続き、イスラエルの参加を理由に抽選会の実施も認めないと表明。大統領選に出馬するとみられ、支持率調査でトップを走る中ジャワ州のガンジャル知事も同様に異議を唱えた。
 2人は、最大与党・闘争民主党に所属している。闘争民主党はまだ大統領候補を正式決定していないが、対抗馬になるとみられる他党の候補はいずれもイスラム保守派からの支持が強い。大統領選を前に少しでも保守派を取り込みたいガンジャル氏の意図のほか、闘争民主党の思惑が働いた可能性も否定できないとみられている。
 バリ島はヒンズー教徒が多い。バリ州の知事もイスラム教徒ではなくヒンズー教徒だ。このため試合や抽選会の拒否は、闘争民主党の戦略を踏まえた動きと臆測されている。
 国際連盟(FIFA)は近く代替開催地を発表する見通し。

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